SMCの市場構造は、同じ時間足のスイング高値と安値から、価格が継続しているか、変化したか、まだ持ち合いかを判断する方法です。BOS(Break of Structure、構造の突破)は元の方向への突破、CHoCH(Change of Character、構造の性質の変化)は重要な逆方向の構造が崩れたことを表します。本記事では独自の局所的な判断モデルを使います。左右2本ずつと終値による突破を確認条件にする場合、転換点を使えるのは右側2本が確定してからです。後になって分かった位置を、その時点のシグナルとして扱ってはいけません。
同じローソク足チャートでも、BOSを描く人とCHoCHを描く人がいます。違いは最初の高値の選択から始まっているかもしれません。選ぶ時間足、スイングの大きさ、どの足の確定まで待つかで、その後の記号が変わります。私は市場構造を学ぶとき、まず「なぜこの価格を使えるのは今なのか」と説明する練習が役立つと考えています。ルールを説明したうえで、同じBTCUSDTの過去の値動きを1本ずつ描き直します。BTCはビットコイン、USDTはステーブルコインです。BTCUSDTはUSDT建てのビットコイン銘柄を表します。
SMCの市場構造では、何を先に確認するのでしょうか
市場構造が最初に答えるのは方向性と値動きのリズムで、エントリー条件は別に決めます。 構造、流動性、観察範囲の役割をまだ区別できていない方は、SMC戦略の基本から学べます。本記事では高値と安値の判断を詳しく扱い、チャート上の記号がどのように決まるかを説明します。
確認したいのは、同じ時間足の高値と安値がそろって進んでいるかです。高値と安値がともに切り上がれば局所的に強気、両方が切り下がれば局所的に弱気と記録できます。高値が上がる一方で安値が下がるなら、まず混在状態にします。判断を保留することにも意味があります。何がまだ不足しているかが分かり、足が1本できるたびに無理に方向を選ぶ必要がなくなるためです。
以下では再現しやすい学習用ルールを使います。すべてのSMC指標が同じ定義だとは主張しません。SMCはSmart Money Concepts、スマートマネーの概念です。ローソク足の構造は価格変化を説明できますが、どの機関が売買したか、実際に損切り注文がどれだけあるかを直接証明するものではありません。
スイング高値・安値の発生時刻と確認時刻は別です
左右2本ずつで、同じ基準を固定します
本記事では、高値が左右それぞれ2本の高値を厳密に上回る足を局所高値とし、安値が左右それぞれ2本の安値を厳密に下回る足を局所安値とします。同値があれば確認せず、左右のデータが足りない場合も空欄にします。毎回の練習を比較できる明確な選定ルールであり、すべての市場で最も有効なパラメータという意味ではありません。
中央の足がすでに転換したように見えても、右側2本目の確定を待つ必要があります。右側1本目が安値を更新しなくても、2本目が新安値をつければ、元の候補は成立しません。その価格が発生したことと、スイングの基準として使えることは別です。 記号は元の足へさかのぼって描けますが、記録には確認時刻を別に残します。
TradingViewのPine Script公式文書「Repainting」の「Plotting in the past」では、ピボットの記号が数本後になって過去の足に描かれる可能性を説明しています。原文では2026年9月29日にこの文書を確認しました。過去のチャートでは転換点がずっとそこにあるように見えるため、その時点ではまだ判断材料になっていなかったことを忘れがちです。練習では右側を隠すと、チャート全体を一度に見るより、この差に気づきやすくなります。

新しい高値と安値は、片方だけを見ないようにします
毎回、最新の確認済み高値2つと確認済み安値2つを比較し、それぞれが上がったか下がったかを確認します。HHはHigher High(切り上がった高値)、HLはHigher Low(切り上がった安値)、LHはLower High(切り下がった高値)、LLはLower Low(切り下がった安値)です。本記事では高値と安値が同じ方向に動く場合だけ局所的な方向を決めます。新しいデータが片方だけを更新したときは、一時的に方向がそろわないことがあります。
この方法では、条件を満たす局所的な転換点をすべて残し、さらに大きいスイングへまとめ直しません。主な推進部分だけを選ぶ描き方より細かくなり、結果も異なる可能性があります。他の人のチャートを読むときは、先に転換点の選び方を確認してください。異なる2つのルールのBOS記号をそのまま比較すると、最初から別のものを比べている可能性があります。
BOSとCHoCHの違いは、突破前の構造にあります
方向を決めてから、継続か変化かを判断します
BOSはBreak of Structure(構造の突破)で、既存の方向に重要な高値・安値を超える動きを表します。CHoCHはChange of Character(構造の性質の変化)で、元の方向を支えていた重要な逆方向の基準が崩れることを表します。どちらも突破前の状態を示す必要があり、下落したというだけで弱気BOSと記録してはいけません。
| 突破前の局所的な構造 | 本記事で観察する終値の動き | 記号の意味 |
|---|---|---|
| 高値と安値がともに切り上がる | 事前に確認済みの高値より上で引ける | 強気BOS、元の方向が継続 |
| 高値と安値がともに切り上がる | 事前指定した切り上がった安値より下で引ける | CHoCHを観察し、元の強気判断が崩れる |
| 高値と安値がともに切り下がる | 事前に確認済みの安値より下で引ける | 弱気BOS、元の方向が継続 |
| 高値と安値がともに切り下がる | 事前指定した切り下がった高値より上で引ける | CHoCHを観察し、元の弱気判断が崩れる |
この表が本記事の判定方法です。構造が混在している場合は、まず「終値がどの価格を突破したか」を記録し、無理に継続か変化かへ分類しません。CHoCHが出た場合も元の方向判断をいったん止め、新しい構造を待ちます。以降の反転を保証せず、すぐ逆方向のポジションを持つための合図でもありません。

ヒゲが越えても、終値による確認とは異なります
本記事では、終値が事前の基準価格を厳密に超えることを突破の確認条件にします。ヒゲが越えて終値が元の側へ戻ったら、越えた後に戻った値動きと記録します。基準価格と同じ終値でも確認しません。別の判定方法が直ちに誤りになるわけではありませんが、練習開始時から固定してください。損失後はヒゲで判定し、利益になったときだけ終値へ戻すような変更はいけません。
終値ルールが扱うのは構造の記号だけです。トレード計画に別の損切り価格を設定した場合、価格到達による決済と「終値で構造の無効化を確認するまで待つこと」は別条件です。後者を損切りを遅らせる理由にしてはいけません。本記事は構造の判断までを行い、これらの記号からエントリー価格や戦略の勝率を導きません。
実際の過去例:同じ4時間足の値動きを1本ずつ判断します
例にはBinance BTCUSDT無期限先物の4時間足を使い、価格単位はUSDTです。原文では2026年9月29日にデータを再取得しました。計88本で、母記事の保存データと一致しています。元の始値時刻の範囲は9月2日20:00から9月17日08:00までで、以下ではそのうち9月8日から10日の連続した値動きを使います。すでに見た過去の期間を学習用に再確認するもので、ブラインドテストでも実際の注文でもありません。
時刻はすべてUTC(協定世界時)で、UTC+8では8時間を足します。足は始値時刻で呼び、例えば「08:00の足」が確定するのは12:00です。転換点は左右2本ずつを使い、構造は最新の高値2つと安値2つで判断します。基準価格を確認できてから、後続の終値が越えたかを調べます。同値やより極端な価格によって候補が成立しなくなったら除外し、混在状態では方向分類を止め、逆方向へ終値が突破したら元の方向を使い続けません。まずこのルールを書き留めてから、チャートを進めてください。
ステップ1:安値が本当に既知の情報になるまで待ちます
画面を9月8日16:00で止めると、12:00の足が確定したところで、安値は77,600.1です。左側の04:00と08:00の足の安値はそれぞれ78,133.0と78,253.2で、どちらも高くなっています。しかし右側2本はまだ確定していません。この時点では候補を囲むだけで、新しいLLが確認できたとは言えません。
続く16:00の足の安値78,230.5、20:00の足の安値78,360.2は、いずれも候補安値より高くなります。9月9日00:00に右側2本目が確定して初めて、77,600.1を局所安値として使えます。記号は9月8日12:00の足に描けますが、トレード日誌の確認欄には翌日00:00と記入します。
この時点の最新の確認済み高値2つは80,536.1と79,476.0、最新の確認済み安値2つは78,636.0と77,600.1で、高安がともに切り下がっています。そのため本記事では局所的に弱気と記録し、上にある確認済みの79,476.0を元の方向が崩れたと判断する基準価格にします。背景の転換点にも確認時刻があります。80,536.1は9月6日20:00に発生し、7日08:00に確認しました。79,476.0は8日00:00に発生し、12:00に確認しました。78,636.0は7日12:00に発生し、8日00:00に確認しました。最後の数本だけを切り取り、背景を除いてから方向を推測してはいけません。

ステップ2:前の高値を越えたら、終値の位置を確認します
9月9日12:00まで進めます。確定したばかりの08:00の足は、高値79,737.3で基準高値79,476.0を越えました。しかし終値は79,281.7で、基準価格の下に戻っています。本記事のルールでは、越えた後に戻ったことだけを記録し、上向きのCHoCHは成立していません。残すべき最初の反例です。価格が線を越えたことと、予定の条件が成立したことは別です。
79,737.3も、この時点では新しい高値候補にすぎません。続く12:00と16:00の足の高値はそれぞれ79,648.1と78,942.1です。左側2本の高値78,899.0と79,376.4もそれより低く、9月9日20:00になって初めて確認できます。最新の高値の並びは79,476.0 → 79,737.3となり、切り上がります。安値の並びは、この時点ではまだ切り下がっています。
そのため、ここでは記録を混在状態へ変え、「高安がともに切り下がっている」と説明し続けてはいけません。これは上向きの終値突破を後から成立させることではありません。新高値の確認は転換点の選定完了を意味するだけで、先ほどの終値が基準価格を上回らなかった事実は変わりません。この2種類の更新は別の欄に記録します。

ステップ3:高安を更新し、逆方向の終値突破を判断します
9月10日08:00になると、新しい切り上がった安値77,706.1を確認できます。発生したのは前日20:00です。左側2本の安値78,020.0と78,112.0、右側2本の安値77,912.2と77,867.5は、すべてこの価格より高くなっています。最新の安値は77,600.1 → 77,706.1となり、切り上がった高値と合わせ、本記事の局所的な並びは強気へ変わります。
この既知の切り上がった安値77,706.1を、元の方向が崩れたと判断する基準価格として記録します。次の08:00の足の安値は77,651.4ですが、終値は77,816.4です。12:00に確定した時点でも、下に越えてから戻った動きにとどまります。ここでもCHoCHを早く付けるべきではありません。
さらに次の足、9月10日12:00の足は77,218.5で引けます。16:00になって初めて、終値が事前指定した77,706.1を下回り、さらに以前の77,600.1も下回ったことを確認できます。本記事の局所的な構造モデルでは、強気判断が逆方向に崩れたCHoCHを観察する場面です。終値が下がったというだけで「元の弱気が継続した」と書き換えてはいけません。
ここでは状態を「元の強気が崩れ、新しい構造を待つ」に変えます。新安値の右側確認がまだできていないからといって、以前の強気が有効なままではありません。同時に、新しい下降トレンドが完全に成立したとも言えません。母記事では事前に固定した以前の安値77,600.1を終値が下回ることで弱気の計画を立て、本記事では最新の局所スイングを追っています。同じ価格イベントでも、答えようとしている問いが異なります。記録の冒頭にモデルを書いておけば、違いの理由が分かります。今回の練習は9月10日16:00で終え、その先の方向回復を宣言せず、トレードも模擬しません。

その時点で分かる情報を、1つの表にします
この練習の成果は、照合できる判断記録です。抜け落ちやすいのは「いつ使えるか」の欄です。これがなければ、過去のチャート上の転換点がすべて実際より早く分かっていたように見えます。
| 使える時刻(UTC) | その時点で新たに確認した情報 | 本記事で記録する判断 |
|---|---|---|
| 09/09 00:00 | 09/08 12:00の安値77,600.1を確認 | 高値2つと安値2つが下がり、局所的に弱気 |
| 09/09 12:00 | 高値79,737.3、終値79,281.7 | 79,476.0を越えて戻り、上向きCHoCHは未確認 |
| 09/09 20:00 | 79,737.3を切り上がった高値として確認 | 高安の方向がそろわず、混在へ変更 |
| 09/10 08:00 | 77,706.1を切り上がった安値として確認 | 高安がともに上がり、局所的に強気 |
| 09/10 12:00 | 安値77,651.4、終値77,816.4 | 終値は77,706.1を下回らず、引き続き条件を待つ |
| 09/10 16:00 | 終値77,218.5 | 逆方向へ終値が突破し、元の強気を止めてCHoCHを観察 |
やり直すときは1本ずつ先を見せ、「確認済みの高安、現在の状態、次の基準価格」を埋めてください。先に答えを書いてから右へ進みます。表と違った場合は転換点のルールや確定時刻を調べ直し、自分の線を表に合わせて動かすだけで済ませないようにします。
複数の時間足とよくある間違い:エントリーの前に判断を整えます
短い時間足の変化から、まだ確定していない長い時間足の結論は出せません。 15分足で構造が変化しても、4時間足では同じ押し戻しの途中かもしれません。2つの時間足で直近の確定済み終値と確認済み基準価格を別々に残すことで、本当に矛盾しているか説明できます。15分足の高安を、4時間足の確認欄へ入れてはいけません。
もう1つのよくある問題は、古い記号を使い続けることです。以前は強気の並びであっても、終値が逆方向の基準を突破した後に、次の安値が未確認という理由だけで強気を維持してしまいます。例のステップ3は、その間の状態の記録方法を示しています。「崩れたので新しい構造を待つ」という状態を認めるほうが、チャートを常に赤か緑だけで分類するよりルールに忠実です。
この局所的な転換点の選び方にも代償があります。右側確認によって情報が遅れ、もみ合いでは状態が頻繁に変わる可能性があります。判断の照合を容易にするだけで、収益性は検証していません。取引に使うなら、エントリー、価格による損切り、取消、数量のルールを別に決め、コストとスリッページ(予定価格と実際の約定価格の差)も含める必要があります。1回きれいに記号を付けられたことを、戦略テストの成功と考えないでください。

次に、構造を流動性と観察範囲へつなげます
まず自力で1つの時刻記録を完成させてから、なぜ特定の価格で観察する価値があるかを学んでください。以下の関連解説がこの2つの問いを引き継ぎます。日本語の学習先を示し、公開URLを確認した後にリンクを追加します。
- SMCの流動性の読み方では、価格が越えて戻る場合と、そのまま進む場合の区別を練習します。
- OBの描き方では、既知の構造を候補の観察範囲につなげます。
本記事は教育と過去チャートの練習を目的とし、投資助言ではありません。構造の記号は値動きを保証しません。実際の取引では元本を失う可能性があり、先物のレバレッジはリスクをさらに拡大します。